終身雇用制度も今や当たり前ではない
終身雇用制度とは
そもそも終身雇用制度とはどのような制度なのかを説明します。まず、終身雇用制度とは「採用した新卒者を定年で退職するまで雇い続けます」という会社の考え方を指します。大きなトラブルを起こしたりして懲戒免職にせざるを得ないといった特別な事情を除いて、解雇されることはありません。
終身雇用制度を採用していない会社は、業績に応じて社員の数を調整しますのでリストラなどが起こりやすいといえます。終身雇用制度を採用していないことが多い外資系企業などは、頻繁にリストラがあるということを頭に入れておきましょう。もちろんリストラといっても労働基準法に基づいて行われなければなりません。
終身雇用制度の考え方
日本の会社の多くは終身雇用制度を採用しており、基本的には新卒で入社をした会社で定年まで働き続けることが前提になっています。しかし、新卒で入った会社が自分が納得して働ける場所とは限りません。長い時間、満足した状態で働き続けられる会社というのもなかなかありません。
新卒でとても良い会社で働けた人にとっては終身雇用制度はとても良い制度かもしれませんが、実際には入社した会社で働き続けられる人の方が圧倒的に少ないです。終身雇用制度だからといって転職しないということはありません。
メリットデメリット
では終身雇用制度を採用するメリットはどこにあるのかという点です。終身雇用制度によって最も期待されることは雇用の安定です。能力が低くても解雇されることはありませんので、将来について不安に思うことなく働けるということです。これはわかりやすく言えば公務員に近いような働き方です。この雇用の安定によって社員の成長が期待しやすく、スキルも継承されやすい環境が作られます。
しかし一方で、安定であるがゆえにモチベーションが低下しやすかったり、成果をあげなくても給料をもらえるといった考え方になってしまうこともあります。
現在の終身雇用制度
現在は終身雇用制度が崩壊しているという話があり、その理由には転職の一般化と非正規雇用者の増加が挙げられています。実際に直近の離職率はおよそ16%ほどとなっており、そして約17%の人が新しい会社で働くといった結果が見られています。たった1年間で16%の人が離職していることを考えると、終身雇用制度が徐々に当たり前ではなくなっているといえます。転職をしないことを前提に考えた働き方から、現在は転職をすることを前提とした働き方になってきているのかもしれません。